小泉社会保険労務士事務所|さまざまな問題に経験豊富なベテラン社労士が対応します! 小泉社会保険労務士事務所|退職金問題、メンタルヘルス問題はお任せください! 小泉社会保険労務士事務所|法改正についてわかりやすく対応します!

新着情報

2024年12月25日 今年もありがとうございました!

今年も、顧問契約を締結させて頂いているお客様、毎年定期的にご依頼頂いているお客様、単発でご依頼頂いたお客様のお蔭で、多様な仕事をさせて頂きました。
心から感謝しております。
プロとしての能力、経験、サービス(迅速性、正確性)、知識等を高度に維持し、誠実に対応することを常に心掛けております。
来年の皆様方(経営者の皆様、従業員の皆様、ご家族の皆様)のご発展、ご成功、ご健康、ご多幸を心からお祈りいたします。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年10月1日 外国人の方の日本年金受給手続き

1.脱退一時金の請求
短期在留外国人のための制度です。日本国籍を有しない方が、国民年金、又は厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、日本を出国した場合、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求することができます。脱退一時金は、税法上は退職所得になります。また脱退一時金給付における加入期間は、将来再度来日して働き続けた場合において、合算対象期間(カラ期間)とはなりません。
2.老齢年金の請求
平成29年8月1日より年金加入期間(保険料納付済み期間、保険料免除期間、合算対象期間)が10年以上あれば、日本の年金が受給できるようになりました。しかしながら本人の日本における保険料納付の認識や記憶、自国での年金受給中などの状況から、日本の年金受給は無いと思われている方もいらっしゃるようです。そのようなケースの場合は以下の確認が有用です。
@外国人登録原票の開示請求
出入国在留管理庁総務課情報システム管理室出入国情報開示係に対して、外国人登録原票の開示請求(保有個人情報開示請求書)を行います。20歳以降の期間に係る情報開示請求が必要です。昭和36年5月1日以後、20歳以上65歳未満の間に日本国籍または永住許可を取得した方にについては、日本国内に住所を有した期間のうち、外国人の強制適用除外期間であった昭和36年4月1日から昭和56年12月31日までに期間は、合算対象期間になります。(20歳以上60歳未満の期間に限り、被用者年金制度に加入していた期間は除かれます)
この合算対象期間に加算により、10年の加入必要期間を満たすことができたり、平成29年8月1日改正前の旧法における加入必要期間である25年(原則)までも満たし、旧法部分からの受給も加算される可能性もあります。この開示情報をもって年金事務所に行く流れになります。
A社会保障協定締結国における加入期間の確認
社会保障協定締結国における年金加入期間は、その加入期間がその国における年金受給に反映されている期間も含めて、日本の年金加入期間になります。米国の場合は、老齢年金の請求の時に、『合衆国年金等法令に基づく期間等の申立書』を添付することにより、日本年金機構から米国に照会がされます。

2023年7月1日 テレワークに対する労基法上の考え方

テレワークを行う場合の労働基準法の適用に関する考え方をまとめてみました。
@勤務場所(労働条件の明示)
労働者がテレワークを行うことを予定している場合も、テレワークを行うことが可能である勤務場所を明示することが適当である。
A労働時間の適正な把握
使用者はテレワークを行う労働者の労働時間についても適正に把握する責務を有する。
B通勤時間や出張中の移動時間のテレワーク
使用者の明示または黙示の指揮命令下で行われるものは労働時間に該当する。
C勤務時間の一部をテレワークする際の移動時間等
使用者が移動することを労働者に命じることなく、単に労働者自らの都合により就業場所間を移動し、自由利用が保障されている場合は、労働時間に該当しない。
D中抜け時間
労働者が労働から離れ、自由利用が保障されている場合、休憩時間や時間単位の年次有給休暇として取り扱うことが可能である。
Eフレックスタイム制
テレワークもフレックスタイム制を活用可能である。あくまで始業・終業の時刻を労働者に委ねる制度のため、労働時間の把握が必要である。
F事業場外のみなし労働時間制
使用者の具体的指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な時は、事業場外みなし労働時間制が適用される。具体的には、@情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくとされていないこと、A随時使用者の具体的指示に基づいて業務を行っていないことが要件として必要である。労働者の健康確保の観点から、勤務状況を把握し、適正な労働時間を行う責務を有する。また、実態に合ったみなし時間となっているか確認し、実態に合わせて労使協定を見直すことが適当である。
G裁量労働制
裁量労働制の要件を満たせば、制度の対象となる労働者についても、テレワークを活用可能である。労働者の健康確保の観点から、勤務状況を把握し、適正な労働時間管理を行う責務を有する。また、労働者の裁量が失われていないか等を労使で確認し、結果に応じて、業務量等を見直すことが適当である。
H休憩時間
労使協定により休憩時間一斉付与原則の適用除外とすることが可能である。

2023年2月1日 労務監査

会社合併などの時に双方の会社がデューデリ(監査)を行うことがよくありますが、法務監査の一部である労務監査については社労士が担当することもあります。監査のメインは弁護士による契約書等の確認であったり、会計士による決算書類等の確認であり、全体の認識もそのようになっており、それに合わせて時間割も決められています。しかし実際に監査が始まると、契約書とか決算書類はだいたいのものがしっかりと準備されていたり、既に監査対応経験があったりして淡々とすすんでいくことも多いように思います。
一方、法務監査の一部で割当時間も当初はそれほど多くなかった労務監査については表面には出てこない深層的な問題も多く、結果として一番確認時間を取ってしまうこともあります。労務監査時に確認する項目の一部には以下のようなものがあります。
【労働保険や社会保険の適用及び被保険者の適正加入、賃金計算の遵法性と未払い賃金の有無、有期労働者やパートタイム労働者及び派遣労働者との契約や更新の適法性、退職給付債務の額、個人情報保護法(マイナンバー)や不正競争防止法関連、規則や協定類及び雇用契約書の整備と内容、長時間労働、雇い止めや解雇の方法、試用期間、育児休業介護休業法対応、高齢者及び障がい者対応、セクハラパワハラ(相談窓口設置有無)、健康安全衛生関係対応、メンタル関連、労基署是正勧告確認、社会保険調査確認】
また労務監査は他の監査とは違い、そのアプローチ方法が完全に確立されているわけではなく、対応する組織や人によってバラツキがあるのが実態だと思います。その監査の目的と影響力を踏まえ、契約書や決算書類等には現れていない隠れ債務や比較優位メリットについて、いかにわかりやすく開示させるかが大事だと思います。

2023年1月10日 ADR業務(紛争解決手続き代理業務)について

個別労働紛争の増加に伴い平成17年にADR法が制定され、これに伴い法的サポート人員の拡大の必要性が生じ、平成19年に社労士法が改正されました。それにより紛争解決手続き代理試験(特定社会保険労務士試験)に合格し、かつ付記申請をした社会保険労務士に対して、紛争外解決手続きの代理業務が認められました。ADRとは、訴訟手続きによらず民事上の紛争の解決を図るために、公正な第三者が関与する手続きのことで、実際の業務内容は以下のようなものになります。
@都道府県労働局及び都道府県労働委員会における個別労働関係紛争のあっせん手続き等の代理
A都道府県労働局における障碍者雇用促進法、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法等の調停の手続きの代理
B労働者派遣法、育児・介護休業法及びパートタイム・有期雇用労働法の調停手続き等の代理
C個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続きにおける当事者の代理(単独で代理することができる紛争目的価額の上限は120万円)
ADR業務や労使問題対応を通じて感じるのは、早い段階で労使双方が誠実に真摯に話し合っていれば解決できたことが多いことです。
特に従業員側の本気度や怒りの大きさを相当期間軽視する中で、問題が大きくなってしまうことがあります。
有期雇用契約の更新、障碍者雇用、育児休業制度など使用者側に説明義務を求める改正も相次いでおります。
初期の段階から丁寧に対応していれば防げた紛争がこじれ、あっせんや調停の中でも、感情面が合理的な解決案よりも上回り、訴訟へと移行していくこともあります。